最近では、【マーケティング】という言葉をよく耳にすることも増えたと思います。
小学校の授業でも、マーケティングという科目が登場するほど、私たちの生活に根付いているものですが、
マーケティングって何?おいしいの?
このように、仕事で携わったことがある人でないと、マーケティングとは何なのかが分からない方も少なくありませんよね。
そこで、今回の記事では、マーケティングの基礎と活用法について、簡単に解説します。
1. マーケティングの基本とは?
マーケティングとは何か
マーケティングという言葉を聞くと、難しいイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実は私たちの身近なところで毎日のように見たり体験したりしているものなんです。
簡単に言うと、マーケティングとは「商品やサービスをより多くの人に知ってもらい、選んでもらうための活動」を指します。
例えば、新しく発売されたコーヒーを多くの人に買ってもらいたいとしましょう。
そのためには、以下のことをする必要があります。
- どんな味が好まれるのか調べたり(調査)
- 美味しそうに見えるパッケージを作ったり(デザイン)
- 適切な価格を決めたり(価格設定)
- スーパーの店頭やオンラインショップで販売したり(販売チャネル)
- CMや広告で宣伝したり(プロモーション)
これらすべてがマーケティングの一部です。
実生活での事例
マーケティングの目的とは?
では、マーケティングとは、何を目的として行うものなのかを考えてみましょう。
最近では、SNSなどでマーケティングを語る方も多いので、売上を作るものだと考えている方も多いのですが、実は違います。
売上を上げるだけではない
マーケティングと聞くと、「売上を上げるための活動」というイメージが強いかもしれません。
もちろん、売上を伸ばすことは重要な目標の一つですが、それだけがマーケティングの目的ではありません。
顧客と信頼関係を築くこと
マーケティングの本質的な目的の一つは、「顧客との信頼関係を築くこと」です。
たとえば、ただ商品を買ってもらうだけでなく、「このブランドだから安心して選べる」「この会社は私のことを理解している」と顧客に感じてもらうことで、長期的な関係を築くことができます。
ブランド価値を高めること
また、「ブランド価値を高めること」も重要な目的です。
たとえば、高級ブランドが提供する商品は、単なる機能だけでなく「ステータス」や「特別感」といった価値も一緒に提供しています。
このように、マーケティングは商品の背景にあるストーリーや価値を伝え、ブランドそのものの魅力を高める役割も果たします。
顧客目線の重要性
優れたマーケティングには、必ず「顧客の視点」が欠かせません。
商品を売る側の都合だけを考えるのではなく、「相手が本当に求めているものは何か」を理解し、それを満たす方法を考えることが大切です。
例えば、忙しい働く人をターゲットにした食品であれば、「短時間で調理できて栄養バランスが良い」商品が求められるかもしれません。
また、趣味でランニングを楽しむ人をターゲットにする場合、ただ安いシューズを売るのではなく、「足に負担が少なく、快適に走れる」という価値を提供する方が顧客の心に響くでしょう。
顧客目線でマーケティングを行うと、商品やサービスが「必要とされるもの」として認識されやすくなります。その結果、顧客は自然とそのブランドや商品を信頼し、再び選んでくれるようになります。
マーケティングの目的は、単に商品を売るだけではなく、顧客の心をつかみ、信頼を得て、ブランドの価値を高めることにあります。
そのためには、「顧客が本当に求めているもの」を理解する姿勢が欠かせません。これが、長期的に成功するマーケティングの鍵となります。
マーケティングの4Pを解説
マーケティングを理解する上で欠かせない基本的なフレームワークに「4P」があります。4Pとは、「商品(Product)」「価格(Price)」「場所(Place)」「プロモーション(Promotion)」の4つの要素を指し、これらを組み合わせて商品やサービスを効果的に市場に届ける仕組みです。それぞれの要素を具体的に見ていきましょう。
1. 商品(Product)
「どんな商品・サービスを提供するのか?」が、マーケティングの最初のポイントです。
商品の品質、デザイン、そしてターゲット層に合った特徴が重要です。
たとえば、若い女性をターゲットにした化粧品を考える場合、パッケージデザインがかわいらしくてトレンドに合っていることが求められます。
一方、プロ仕様の工具であれば、耐久性や機能性が最優先されるでしょう。
このように、商品やサービスそのものが顧客のニーズに合致していることが成功の第一歩となります。
2. 価格(Price)
「いくらで売るのか?」は、商品やサービスの価値を決める重要な要素です。
高価格のブランド品と低価格の日用品では、それぞれ異なる戦略が求められます。
例えば、高級ブランドのバッグは「特別感」や「ステータス」を感じてもらうために高い価格を設定します。
一方、日用品のシャンプーであれば、多くの人に手軽に購入してもらうために手頃な価格設定が重要です。
この価格設定は、顧客の「価値観」や「予算感」に合っている必要があります。
3. 場所(Place)
「どこで売るのか?」は、顧客が商品やサービスにアクセスしやすい場所を選ぶことがポイントです。
ネット販売と店舗販売では、顧客に与える体験や利便性が異なります。
たとえば、若い世代に向けたファッションブランドであれば、オンラインショップを活用することで全国の顧客に商品を届けることができます。
一方、食品や日用品の場合は、スーパーやコンビニといった実店舗での販売が重視されます。どこで、どのように商品を販売するかが、顧客の購買行動に直結します。
4. プロモーション(Promotion)
「どうやって知ってもらうのか?」を考える段階です。
広告、SNS、口コミなどを活用し、商品の魅力を広く伝える方法を工夫します。
例えば、新しいカフェをオープンする場合、地域の人々にチラシを配布したり、SNSで写真を投稿して話題を作ったりする方法があります。
また、すでに顧客がいる場合、その人たちに「紹介特典」を提供することで口コミを広げることも有効です。
2024年の今現在では、SNSの影響力が非常に大きいため、インスタグラムやTikTok、YouTubeショートなどでのキャンペーンが効果的なケースも多いです。
4Pは、それぞれが独立しているわけではなく、互いに密接に関係しています。
たとえば、高品質な商品(Product)を適切な価格(Price)で設定し、それを顧客がアクセスしやすい場所(Place)で販売し、効果的に魅力を伝える(Promotion)ことで、初めて顧客の心をつかむことができます。
この4Pをバランスよく活用することが、マーケティング成功の鍵となります。
マーケティングの進化:デジタル時代の変化
現代のマーケティングは、インターネットやデジタル技術の進化によって大きく変わりました。
従来のテレビ広告やチラシといった方法に加え、デジタルマーケティングの手法が欠かせない時代になっているため、デジタル時代のマーケティングの特徴について解説します。
インターネットの影響
インターネットの普及により、マーケティングの幅は飛躍的に広がりました。SNS、オンライン広告、SEO(検索エンジン最適化)など、インターネットを活用した手法が、商品の認知拡大や売上向上において重要な役割を果たしています。
例えば、SNSを活用したマーケティングでは、ブランドの情報を短期間で多くの人に届けることが可能です。InstagramやTikTokで商品を紹介する投稿がバズれば、たちまち多くの注目を集めます。さらに、オンライン広告は、興味を持ちそうなターゲットだけに配信できるため、効率的です。
また、SEOは、自社のウェブサイトを検索エンジンの上位に表示させるための取り組みです。
例えば、「ランニングシューズ おすすめ」という検索で自社の商品ページが上位に表示されると、購入に結びつきやすくなります。
こうしたデジタルの手法は、費用対効果が高く、ビジネスの成長を加速させます。
顧客データの活用
デジタル時代のマーケティングでは、顧客データの活用が鍵を握り、オンラインで得られるデータを分析することで、ターゲットに合わせた広告や提案が可能になります。
例えば、ECサイト(電子商取引サイト)では、顧客がどの商品を閲覧したのか、カートに入れたものの購入しなかった商品は何かといった行動データを取得できます。
これを基に、「この商品もおすすめです」といったパーソナライズされた提案が行えます。
さらに、SNS広告では、年齢、性別、趣味、居住地などのデータを活用して、広告を届ける対象を細かく絞り込むことが可能です。
たとえば、新しいアウトドアグッズの広告を「アウトドア好きの20~40代の男性」にピンポイントで配信することで、効率的に商品の魅力を伝えられます。
デジタルマーケティングの進化により、企業はより効率的かつ効果的に顧客とつながることができるようになりました。
この変化に対応し、インターネットの活用やデータ分析を取り入れることは、現代のビジネスにおいて不可欠と言えます。デジタルの力を活用したマーケティングは、今後さらに進化し、多くの可能性をもたらすことが期待されています。
40代が知っておくべきマーケティングのポイント
マーケティングは、ビジネスの世界だけでなく、日常生活や趣味、地域活動にも役立つスキルです
特に40代の方にとっては、仕事やプライベートの様々な場面で「相手の心を動かす」力として活用できる場面がたくさんあります。
ここでは、実生活での具体例と学び直しの方法を紹介します。
実生活での活用例
マーケティングの知識は、趣味の活動や地域ビジネスを充実させるための有効なツールです。例えば、フリーマーケットで自分の不要品を出品する際にも、マーケティングの視点を活かすことができます。
商品の写真に工夫を凝らす
出品する商品を魅力的に見せるためには、明るい自然光の中で撮影したり、背景をシンプルに整えたりするだけで印象が大きく変わります。
「良い第一印象を与える」ことはマーケティングの基本の一つです。
価格設定に気を配る
商品を高く売りたい気持ちは分かりますが、相場を調べて「適正価格」を設定することが大切です。相場より少し安めの価格や、値引きの余地を残しておくことで、購入者の関心を引きやすくなります。
説明文で商品の魅力を伝える
単に「古いカバンです」と書くだけでなく、「数回しか使用しておらず状態は良好です。軽量で普段使いに最適!」といった具体的な魅力を記載することで、購入者の購買意欲を高めることができます。
こうした工夫は、小規模なビジネスや地域活動でも応用可能です。
例えば、地域の手作り品販売イベントでの売り上げを伸ばしたい場合、ポップやSNSでの発信を通じて商品の魅力を伝える方法が考えられます。
学び直しのすすめ
マーケティングを深く理解したいと思ったら、手軽に学べるリソースを活用しましょう。以下は、特におすすめの方法です。
オンライン講座
CourseraやUdemy、YouTubeには、初心者向けの無料・有料の講座が豊富にあります。「マーケティング基礎」「デジタルマーケティング入門」などのテーマから始めてみると良いでしょう。
また、自分で商品を作って販売したいものがある場合や、自社商品をさらに多くの人に認知を広めたい場合などは、弊社でもコンサルや、マーケティングスクールを運営していますが、
オンライン講座には、グループで教えてくれるものや、個別に家庭教師のように教えてくれるコンサル、個別の対応はないものの大人数で仲間と一緒に(自主的に)学べるコミュニティなど、様々なスタイルがあるため、自分にあった講座を選ぶことが大切です。
書籍
シンプルに解説されたマーケティング入門書や、実践例が豊富な本は、基礎を固めるのに役立ちます。たとえば、『ドリルを売るには穴を売れ』や『影響力の武器』は初心者にも親しみやすい内容です。
ブログやSNS
マーケティング関連のブログやSNSアカウントをフォローすることで、最新の情報を気軽にキャッチできます。特に、実際の成功事例を紹介しているコンテンツは参考になります。
無料のツールで実践
CanvaやInstagram、Facebookなどを使って、簡単なプロモーション用の画像や投稿を作成してみましょう。これらのツールを使うことで、実践的にマーケティングを体験できます。
マーケティングの知識は、自分の趣味や活動を広めたり、仕事で成果を出したりするための大きな武器になります。
身近なところから実践し、少しずつ理解を深めていくことで、その効果を実感できるでしょう。学びは一生続けられるもの。気軽に挑戦してみてください!
マーケティングで得られるメリット
マーケティングの知識やスキルは、仕事で活用できるだけでなく、私たちの日常生活や人間関係にも役立つことが多いです。ここでは、マーケティングを学ぶことで得られるメリットを紹介します。
仕事以外でも役立つスキル
マーケティングを学ぶと、「相手に自分のアイデアを伝える力」が自然と磨かれます。これは、仕事以外の様々な場面でも大いに役立ちます。
家族や友人へのプレゼン力の向上
例えば、家族旅行の計画を提案する際に「どの場所が家族全員にとって楽しめるか」「どんなスケジュールが現実的か」をわかりやすく伝える力は、マーケティングで養ったスキルが活きる場面です。
また、子供や友人に新しいアイデアを納得してもらう時にも、自分の考えを整理して魅力的に伝える方法が役立ちます。
趣味や活動を広める
趣味で作った作品や写真をSNSに投稿して「いいね」を増やしたい場合や、自分が関わる地域活動の参加者を増やしたい場合にも、マーケティングの知識が有効です。
相手がどんな情報に興味を持つのかを考え、その興味に合った形でアプローチすることで、自分の活動をより多くの人に広められるようになります。
「伝える力」が身につく
マーケティングの基本を学ぶと、相手に「伝える力」が自然と向上します。これは、自分の思いや考えを他者に伝えるために欠かせないスキルです。
マーケティングでは、「相手のニーズを理解し、それに応じたメッセージを届ける」ことが重要とされています。
日常のコミュニケーションに応用できる
この考え方は、日常のコミュニケーションにも応用可能です。
たとえば、職場での提案や、友人との会話で自分の意見をスムーズに伝えられるようになります。
行動してもらうための伝え方も身に付く
さらに、相手に「行動してもらう」ための伝え方も身につきます。たとえば、地域のイベントに人を呼び込む場合、単に「来てください」と言うだけでなく、「こんな楽しい体験ができます」「参加するとこんなメリットがあります」と具体的に伝えることで、相手に響くメッセージを作れるようになります。
マーケティングを学ぶことは、仕事の成果を上げるだけでなく、日常生活をより豊かにするためのスキルを提供してくれます。
「相手の心をつかむ」「効果的に伝える」といった力を磨くことで、人間関係や趣味の活動、家族との交流まで、幅広い場面でメリットを感じられるはずです。
マーケティングってどこから始めれば良いの?
マーケティングを学ぶことに興味があっても、「どこから始めればいいかわからない」と感じる方もいるかもしれません。
実は、マーケティングの第一歩は、身近なところから始められるため、簡単に取り組めるアクションプランをいくつかご紹介します。
簡単なアクションプラン
SNSで好きな商品を観察してみる
あなたがよく使うSNS(Instagram、Twitter、TikTokなど)で、気になる商品やブランドの投稿をチェックしてみましょう。その投稿がどのように商品を魅力的に見せているのか、どんな言葉や画像を使っているのかを観察するだけで、多くのヒントが得られます。
身近な広告やチラシをチェックしてみる
毎日のように目にするスーパーのチラシやテレビCM、街中のポスターを少し意識して見てみてください。それらが「誰に向けて」「どんな方法で」商品をアピールしているのかを考えると、マーケティングの視点が少しずつ養われていきます。
友人や知人に話題の商品を勧めるときの言い方を工夫してみる
たとえば、最近気に入ったカフェを友人に紹介するとき、「ここ、雰囲気が良くてコーヒーも美味しいよ!」と伝えるだけでなく、「静かで落ち着けるし、スイーツも絶品。勉強や仕事にもぴったりだよ!」と相手の興味を引くように伝えてみましょう。
この練習を繰り返すことで、相手に響くメッセージの作り方が自然と身についていきます。
マーケティングに触れる機会を作る
マーケティングを学ぶコツは、頭で考えるだけでなく、実際に小さな実践を積み重ねることです。例えば、以下のような方法を試してみてください。
自分のSNSアカウントで実験してみる
商品や趣味について投稿してみて、どのような内容が反応を得やすいかを観察します。「この投稿はいいねが多かったけど、なぜだろう?」と考えることで、マーケティングの感覚を養えます。
身近な人の意見を聞いてみる
家族や友人に、「この商品どう思う?」と意見を求め、その反応を分析することで、人々の視点やニーズを知る練習ができます。
実生活の中でアイデアを試す
たとえば、地域イベントやバザーで、自分の出品物に手作りのポップを添えるだけでも、マーケティングの実践になります。「どうすれば目立つか」「どんな言葉が効果的か」を試すチャンスです。
最初から完璧を目指す必要はありません。
日常生活の中で少しずつマーケティングの視点を持つことで、自然とスキルが磨かれていきます。
まずは小さな一歩を踏み出し、その先に広がる可能性を楽しんでみてください!
まとめ
マーケティングは専門的なスキルと思われがちですが、テレビCMや、近所のスーパー、SNS、オンライン広告、ブログなどなど、私たちの日常生活に溶け込んでいるものです。
「仕事で使うわけじゃないから、私には関係ない」と思う方も少なくないですが、小学生の学習科目にもなるほど、今の日本社会に必要となってくる分野ですし、
顧客視点を身につけることで、伝える力も身につき、コミュニケーション力も向上したり、ただ商品を販売することだけでなく、日常的にも役立つスキルです。
私自身、29歳の時から離婚を機に起業したため、生き抜くためにマーケティングを学ぶことになりましたが、マーケティングを学んだおかげで、30代後半で慶応大学に入学できたり、仕事以外でも活用できるスキルが身につきました。
ですので、学ぶのに年齢は関係ありません。
これを機に少しずつ理解を深め、自分の生活や仕事に活かしてみてください!